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『浦沢直樹の漫勉neo/大友克洋』視聴。『霊のうごめく家』製作の発端は黒沢清監督『スィートホーム』でした。

『浦沢直樹の漫勉neo/大友克洋』をやっと視聴。
大友克洋氏は大林宣彦監督『HOUSE ハウス』を観て、「日本に洋館は合わない」と思い『童夢』の舞台を団地にされたとの事。
私の代表作OV『ほん怖』の一編『霊のうごめく家』は、黒沢清監督『スィートホーム』を観て同様の見解を持ったのが製作意欲の発端でした。
日本家屋を舞台にして欧米映画が得意とする幽霊屋敷映画を作ろうと思ったわけです。
約30年前、黒沢清監督にはじめてお会いしたときに、若気の至りでそのことを素直にお伝えしたら、「『スィートホーム』が『霊のうごめく家』に影響を与えているなら本望ですよ」とおっしゃってくださいました。
あのとき、黒沢監督の器の大きさにひたすら敬服しましたね。

今回の経営陣の刷新をきっかけに『ほん怖』のみならず、フジテレビさんの社内風土が大きく変わることを切に願っております。

【この投稿を私、鶴田法男に断りなく記事等にすることは禁じます】

この記事の「成功体験にとらわれていた」という見出しを見て、私がフジテレビ『ほんとにあった怖い話』(以下、『ほん怖』)から身を引いたキッカケの一つを思い出しました。

1991年、私が原作コミックの映像化をゼロから企画してオリジナルビデオ版『ほん怖』を作り、それを元に、1999年に立ち上がったのがフジテレビ版『ほん怖』でした。
朝日新聞出版さんが発行する優れた原作コミック(現在の誌名『HONKOWA/ほん怖』)があってのことですが、先述の通りその映像化は私が企画して立ち上げたものでしたから、自分にとって本当に大切なライフワークだと思って取り組んでいました。
しかし、それでもフジテレビ版から身を引いたのは、当時のフジテレビの社員プロデューサーさんに「ワンパターンで良いんです。新しい事をやろうとしないでください」と常に言われていたのが一つの要因でした。
1999年にフジテレビ版が始まったときはテレビ番組の企画や恐怖表現として画期的だったので高い視聴率を取り、後にプライムタイムのレギュラーシリーズになりました。
しかし、その後、スペシャル番組になってからも10年以上も続くと、斬新だった企画内容も恐怖表現もマンネリ化しますから、部分的にトライ&エラーをするべきと私は主張したのですが、当時の社員プロデューサーさんは一切受け付けず、「ワンパターンで良いんです」と繰り返し言われ続けました。
しかし、作品作りや芸術表現においては、常に模索をしないと成長も発展もありません。
そう語って食い下がると、「うちの会社はそういう会社なんです」と答えが返ってきました。
大手企業の会社員としてはそれで良いのかもしれませんが、自分はフリーの出入り業者に過ぎませんから、このままズルズルとフジテレビ『ほん怖』を撮り続けてもオワコン監督になってしまう不安しか思い描けませんでした。
ですので、その数年前から取り組んでいた小説家業が評価され始めた感触があったのと、中国からのオファーも来ていたので、断腸の思いでしたが、2016年を最後に『ほん怖』から身を引くことにしたのでした。
それに、フジテレビ『ほん怖』の助監督を長年務めてくれた演出部や各スタッフは本当に優秀でしたので、ジジイは身を引いて新陳代謝をはかるべきとも思ったこともありました。
あれから9年が経ち、今はフジテレビ『ほん怖』の現場とのお付き合いもほとんどなくなったので、今年もあるのか分かりません。
ですが、今回の経営陣の刷新をきっかけに『ほん怖』のみならず、フジテレビさんの社内風土が大きく変わることを切に願っております。
https://news.yahoo.co.jp/articles/333f163b5c0253394af86e3d589c5a6b9196aa98
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『Page30』公開が来月に控える堤幸彦監督、女優、広山詞葉さんも「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」に賛助!

日本映画監督協会の会合と会報に、「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」を応援するために昨年10月末に「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」を開催したことを伝えたところ、以下のようなことになりました。

堤幸彦監督、広山詞葉さん、そして、日本映画監督協会員かまだ ともゆき監督、ありがとうございます。

なお、「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」は現在も進行中です。
https://k-scalaza.com/heikankaihi/heikankaihi.html

以下、川越スカラ座のX投稿のコピペです。

日本映画監督協会員、かまだともゆき監督のお声がけで、堤幸彦監督と俳優の広山詞葉さん他の皆さんからご賛助を頂きました!なお、堤監督、広山さん主演の『Page30』が4月11日より公開予定です。
https://x.com/k_scalaza/status/1901466770122346734
川越スカラ座 堤幸彦監督と女優、広山詞葉氏

YouTubeチャンネル『オカルトエンタメ大学』が今年7月で閉校(T_T)

YouTubeチャンネル『オカルトエンタメ大学』(運営:東北新社)が今年7月で閉校するとのこと。
OV版&フジテレビ版『ほん怖』について詳しく解説させて頂きました。
昨年は、『亡霊学級』再リリースのタイミングで、黒沢清監督との「Jホラーとは何か?」という貴重な対談を実現してくださいました。
残念でなりませんが、日本のオカルト界を盛り立てた功績は未来永劫残るでしょう。
7月のラストまでゾッと突っ走ってください。
#オカルトエンタメ大学

https://youtu.be/iBMRQbCdpio?si=s9w1KN_ATpArd34V
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【伊藤潤二×蜷川実花】コラボ表紙がインパクト大の『AERA(アエラ)』2月24日号を読む。

【伊藤潤二×蜷川実花】コラボ表紙がインパクト大の『AERA(アエラ)』2月24日号を読む。
一時は「Jホラーは終わった」等と言われていたのに、最近は国内外やメディアを問わずご連絡を頂くことが増えてホラー人気が再燃してるなあ、と感じることしきり。
2010年代は映画&テレビ界でホラーが無視されるようになったので、出版界や海外に目を向けたので、色々と心配してくれる人もいたのですが、今はそれで良かったかもと思ったりします。まあ、大したことは出来ていませんが………。
血しぶきや内蔵が飛び出す明確な恐怖ではなくて、2階の窓の外に人が立ってたという、日常の中の些細なズレから生じる恐怖を描こうとしたのが、「Jホラーの原点」と呼ばれるOV『ほん怖』を企画した発端でした。
この記事によれば、今のホラー人気を支える作家さん達は、生まれたときからJホラーが存在していた「Jホラーネイティブ」とのこと。
その人達が作品を発表出来る年齢になったことと、「その全員が映画の世界に来ているわけではない」ことから幅が生じていると仰るのは、近年のJホラーの最高峰『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』を発表した近藤亮太監督。
私は馬鹿のひとつ覚えで不器用にやってきただけですが、長年やってると多少は良いこともあるものだなあ、と思ったりしました。
ただし、中田秀夫監督、清水崇監督の様に大ヒット作を連発したり、黒沢清監督の様に世界の名だたる映画祭で賞を取ったりという功績は無いので、死ぬまでの間にもう少しは評価して貰える仕事が残せるように頑張りたいと思います。
とりあえず、小説『恐怖コレクター』シリーズは、大人の皆さんが思っている以上に子供たちの間で人気ですので、ご注目頂ければ幸いです。
#aera #アエラ
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